タンザニアのゾウ、密猟で激減 象牙45トン闇市場に

 タンザニア政府は、国内のゾウが過去5年間で約6割減ったと発表した。政府の統計によると、2009年には10万9千頭だったが、14年に4万3千頭に激減。象牙を目的とした密猟が原因とみられている。現地メディアなどが伝えた。

 同国のゾウを調査している自然保護団体トラフィック」は「大惨事だ」と危機感を募らせ、「このような産業規模の密猟が、これまで明らかにならなかったことが信じられない」と批判している。同団体によると、09年以降、少なくとも45トンの象牙タンザニアから国際闇市場に流れ、アフリカ最大の密猟象牙の供給源になっているという。

 象牙は中国などで装飾品などとして売買されている。動物保護団体「セーブ・ジ・エレファンツ」は昨年末、中国での違法取引が「制御不能な状態」と指摘し、中国の積極的な取り組みがなければ、野生のゾウは今後1世代のうちに絶滅する可能性があるとする報告書を発表している。